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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

カーチ・キライの『オリンピックでプレーして学んだ10のこと』が素晴らしい



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photo by FIVB
以前の記事でもこのことを紹介したことはありましたが、やっぱり名文なので一回訳しておこうと思い、この記事に至りました。

10 Things I learned From Playing in the Olympics

一応、若い方向けにも説明しておくとカーチ・キライとは現アメリカ女子代表監督。
1984年ロス、1988年ソウルのインドア、1996アトランタのビーチと二つの競技、計3つの金メダルを持つ唯一の存在、ミスター・バレーボール。
その彼がまとめた10のすべてのバレーボールプレーヤーに贈るヒント。
まだまだ英語力は未熟な私なので、誤訳等ありましたらあたたかくご指摘いただけると大変うれしいです。

1.準備に大きな誇りを持つこと

振り返ってみると、私はオリンピックで最高の状態ですべての力を出せたと断言できる。私がプレーしたほとんどすべての試合でもだ。
インドアチームでは年に50週近く競い合い、200日近く遠征し、最高の競争を探した。ジャンプトレーニングと練習のある日ではエンパイアステートビルの高さの約2倍ジャンプした。
ケント・ステフェスとアトランタオリンピックで金メダルを取るまでに至った1年間では、二人とも1年間まるまる練習し、時には雨の中でも練習した。

2.チームメイトと親友である必要はない。

1984年のオリンピック金メダルチームはお互いに怒鳴りあう時期もあったが、メダルをとるという目標に向かって団結していた。些細な意見の相違や不一致にこだわらないでほしい。
共通のゴールに焦点を当ててほしい。

3.君を倒す相手を作ろう。

(訳注:この項はちょっと自信ないです)
プレー中はボールを落とさないように。それがオリンピックでもたとえジュニアクラブの試合だとしても、多すぎるミスは君を殺す。
3つの金メダルのすべての中で私の鍵はただ「良かった」ということに尽きる。いいプレイの連続で素晴らしいプレーをされても、単に脱帽しよう。
しかし、ミスや簡単な点をあげなければ勝てたと思うより、気持ち悪いことはない。

4.寝てる犬は放っておけ(訳注:米のことわざで藪蛇とかそういう意味)

ヤジで相手を挑発するな。キューバの男子チームは非常に強く、危険なチームだった。しかし彼らはネット越しに挑発してくることで、悪名高かった。それは単に我々に、より相手を打ちのめしたいと思わせるだけだったが。

5.完璧なサーブレシーブを返すのに美しい面を作ることよりも重要なことはない。

1980年代、我々が五輪で成功した鍵の一つは一貫してセッターに最適なパスを提供できたアメリカチームの能力だった。1984年はバージンズと私が、1988年はストブルトリックと私がパスを担った。
サーブレシーブの戦いに勝ったので、我々はサイドアウトの戦いに勝ったのだろうし、そのプレッシャーに相手のほとんどは降参していた。

6.マッチポイントでもサーブを打ち込め。

エリック・サトウはソウルで我々のユーティリティプレーヤーの一人で、彼の(圧倒的ではなかったが)ジャンプサーブでいくつもの試合に勝った。
それにはソ連との五輪決勝での金メダルポイントも含まれている。

7.向上していないということは、悪くなっているということだ

これは長い間ペパーダイン大での監督でもあり、私たちとともに1988年金メダルをとった監督、マーヴ・ダンフィーの引用である。
もし君が同じレベルで留まっていることに満足しているなら、努力している選手はうまくなっているのだから、相対的に悪くなっている。君が成長できなければ君の回りの選手が君を追い落とすだろう。
君がどんなにうまくても満足してはいけない。より向上することはとても難しいが、自分自身に挑戦しなければそれを得ることはできない。

8.試合のように練習しよう、練習のように試合に臨もう。

これを誰が言ったのか定かではないが、私のバレーボールキャリアを通じて痛感している。
いつものコートで練習するとき、いつでも試合のように全力で練習することは、なにものにも変えがたい最大の自信を与えるだろう。それはオリンピックかもしれない、君の今シーズン目標としている大会かもしれない。

9.チームメイトがスターにみえるくらい、うまくプレーできるように助けよう

それができれば君がうまくプレーできなかったとしても問題ない。成功である。
覚えておいてほしい。君の問題ではない、みんなの問題なのだ。
試合に勝つということはチームの努力の成果であり、もしチームや君の回りの人のためにプレーできれば、結果は君が自分のことだけ考えてプレーする場合よりもよくなるだろう。

10.戦いが激しければ激しいほど、勝利はより輝かしいものとなる。-トマス・ペイン

私がプレーした3回のオリンピックではどれも限界ギリギリの際どい瞬間があった。それは私の最も大切な思い出である。それがもし簡単なものであったら、誰もが金メダルを手にすることができるし、達成したところで何も意味をなさないだろう。
困難な障害はより君を強くする。それはなにもオリンピックである必要はない。クラブの試合でライバルと戦うことでもスタメンに挑戦することでも同じことだ。それが何であれ、それに正面から取り組む必要がある。それができれば結果は問題ではないし、後悔することもないだろう。
10 Things I learned From Playing in the Olympics
http://www.teamusa.org/USA-Volleyball/USA-Teams/Karch-Kiralys-Blog/10-Things-I-learned-From-Playing-in-the-Olympics