Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

チャレンジシステムもつらいよ




決勝はブラジル-ポーランドに決まり、2006年の決勝と同じ対戦となりました。
地元ポーランドと4連覇のかかるブラジルの対戦は、盛り上がること間違いなし。
やはり見どころ的にはポーランドのイケイケサーブをブラジルがどこまでルーカスに供給できるのか、またルーカスに対する策をポーランドがどれだけ練っているかって部分ですかね。
今日の深夜3時からはBS-TBSで中継もあるので、頑張って見たいと思います。副音声あればいいのに…
BS-TBS 2014世界バレー 男子ポーランド大会
世界選手権については、これからいくつか記事を書いていきたいと思っています。


さて、今回の世界選手権では、三大大会としては初めてチャレンジシステムが用いられています。チャレンジシステムとは、審判の判定に疑義があるときは、チャレンジを宣言してビデオ判定を行うというもの。しかし、残念ながら今回に関しては、あまりいい結果を生み出しているとは言えません。

ビデオで見ても結局判定するのは人の目

結局、ビデオチェックをしたところで、判定をするのは審判(副審)なので、微妙な判定にとんでもなく時間がかかるケースが散見されました。やはり中断時間が長引くと、興が醒めてしまいます。
今に始まった話ではないですが、解像度やフレームレートの限界があるので、リプレイ見てもわからん、というのはどうしてもあるわけです。
こう考えると、ワールドグランプリのファイナルin東京でやったホークアイを使用したチャレンジシステムは、とてもよくできた仕組みだったとつくづく思います。あれをそのまま踏襲すれば今回のような混乱にはあまりならなかったでしょう。チャレンジ対象をイン・アウトの判定に限り、機械で判定(だよね?)というのは文句の挟みようがない優れたシステムでした。そんなに時間もかかっていなかったように思います。

しかも、今回の世界選手権では、インアウト判定に加え、ワンタッチ、ネットタッチ、パッシングやバックアタックの線の踏み越しなんかもチャレンジの対象になっているので、余計なやっかいになっています。はっきり言って指先のワンタッチなんてよっぽどハイスピードカメラ使わなければ見えないわけです。パッシングもカメラに選手がかぶって、実際見えないとかもあるわけです。
イン・アウトだけではないため、カメラの台数も増やさなければならず、おそらくは20台前後のカメラで運用しているのではないでしょうか。なので一台あたりにあまりコストがかけられないという面もあったのではないでしょうか。

チャレンジにはチャレンジできない

結局はチャレンジ対象を広げすぎたことが一番の問題なのですが、こんな場面もありました。
2次ラウンドのアルゼンチン-アメリカの最終セット(動画があればよかったのですが)。アメリカのスパイクが微妙なところに飛び、審判がイン判定したのを、アルゼンチンがチャレンジして、ビデオ判定でアウトに。アメリカはワンタッチしているという主張をしますが、認められずそのままアウトに。結局、テレビのリプレイではきっかりワンタッチしている様が映るというなんとも言えない結果に。
チャレンジ対象が複数になったことで、疑義が多数ある場合、対応しきれないわけです。イン・アウトならラリーに必ず一回ですが、チャレンジ対象を広げると、1ラリーの中でいくつもチャレンジ対象ができてしまいます。

これではさすがに審判の権威が落ちる

チャレンジ対象が広いため、セット終盤ではいちゃもんレベルでもチャレンジを行うってことが結構ありました。そういういちゃもんレベルなんだけど、実際本当にタッチネットしていたってことがそこそこありました。
常々、審判の方々には、つまらない反則は見逃していただいて、ゲームをおもしろくしてもらっているわけです。
実際、いちいちわずかなタッチネットだとか、ポジショナルフォルトをとっていたらゲームにならないわけですね。前にも書いているのですが、私の定義するところのうまい審判というのは、バレーボールにおいては空気が読める審判なわけです。そこにわざわざビデオ判定なんかいれちゃったら、審判って必要なの?って風潮になりかねません。

今後のチャレンジシステムはどうなる?

今後はやはりセンサー等を用いた、よりデジタルな方向に進んでいくのではないでしょうか。センサーつきのネットやボールが出てくるかもしれません。それこそホークアイのシステムでワンタッチの判定なんかもできるようになるのではないでしょうか。
しかし、やはりそうなるとそれこそ審判って必要なの?ってことにはなると思います。
そのあたりの問題にどうやってFIVBが線引きをしていくのか、注目していきたいと思います。