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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

アナリストという呼称



監督、コーチ、アナリストの役割とは | バレーボール日和 | スポーツナビ+
バレーボールにおけるアナリストの役割を市川氏は次のように挙げ、3,4番に関してはチームによって監督がやったり、コーチがやったり、アナリストがやったりするというものであると述べている。

1まずは試合経過のオペレーション。
これは試合を見ながらパソコンに結果を打ち込み、同時にビデオ撮影もする作業のことを言います。
2次に、そのオペレーションの結果を数値化すること。
よく聞く「効果率」とか「レセプションのAカット率」などはこうして結果を数値化することで出てくる数字です。
対戦相手の分、そして、同時に自分たちのチームのデータも必要になります。
3その数値化したデータ結果を検証し、次の戦いに必要な資料を選ぶ作業。
4最後に、そうやって膨大な量の資料の中から選ばれたデータをもとに次の試合ではいかに戦うかと選手に戦術を伝授する作業です。
監督、コーチ、アナリストの役割とは | バレーボール日和 | スポーツナビ+

また、そのような役割分担について

「これが正解だ」と決めることはできません。
監督、コーチ、アナリストの役割とは | バレーボール日和 | スポーツナビ+

とも述べている。
これにはおおむね同意である。
ただ実は「アナリスト」という呼称を用いるのは確証はないが、日本だけである。たとえばイタリアなら「Scoutman」、アメリカなら「Technical Coordinator」という呼び方をする。「Statistitian」という国も多い。呼称からだけ推測するのであれば、1〜4に分けられた仕事のなかで欧米ではそもそも3,4は、はじめから監督、コーチの仕事の範疇なのだ。
日本でいうアナリストという言葉は「分析者」の意味を持つのであるから、3,4をやってアナリストと呼称するのがしかるべきであるが、そもそも監督、コーチが4の仕事をしないのであれば、監督、コーチの仕事はいったい何なんだ?という疑問を持たざるをえない。
つまり個人的には、「アナリスト」という言葉自体、監督の無能さを宣伝しているようでどうも違和感を感じるのだ。
ただ、名称として定着しているのだからしょうがないという向きもあろう。アナリストという名称が初めて出来たのはいつなのか。

日本でアナリストという役職ができたのはおそらく大古政権時の福田隆氏(愛媛大教授)が最初ではなかろうか。おそらく日本でアナリストという言葉が初めて出来た頃には、4の仕事が監督、コーチの仕事の範疇に入っていなかったのではないかと容易に推測できる。

リーダーと参謀の資質が違うことは言うまでもなく、三国志の時代から変わらない。
ただ参謀と斥候も違う。アナリストという呼称はどうもこの二つを混同しているように感じる。