アジア選手権、二日目にして思わぬ落とし穴。パキスタン相手にフルセットを費やした。
昨日の試合も失念して見ていないし、南米遠征も見ていないので、日本の新しい試みというのを今日初めて見た。
バボChannet(バボちゃんネット) - フジテレビ
が、1セット目を見た感想は「おいおい、大丈夫か?これで」だった。サーブレシーブからの攻撃では、スパイカーの入りが非常にはやく、シンクロしていた。しかしながら、スパイカーがボールをほとんどヒット出来ない。打ってしまったらシャットされるようなトスばかり。
それでも攻撃のスピード自体にパキスタンはついてこれず、ブロックの後ろにフェイントボールがぽこぽこ落ちていたので、何とかものにすることはできた。逆に2段トス系の高いトスはほとんど決まっていたように思う。
なんと言っても攻撃が窮屈なのだ。比較的ゆったりとしたボールを全力で打ってくるパキスタンとは好対照に。
トスが低いとかのレベルを超えて、ろくに打てないのだ。
ファーストテンポのトスは、タイミングを合わせるのはセッターだ。スパイカーが入ったところにセッターが上げる。しかしそのトスの精度が低いと、スパイカーがセッターを信頼せず自分でトスに合わせに行こうとして、さらに合わなくなる。そんなに難しい技術ではないと個人的には思うのだが、そんな悪循環をおこす怖さはある。昨日の試合からはスタメン4人を変えているとはいえ、いかんせんこれではまずい。
2セットの序盤からパキスタンはその日本の打たないボールに対応しだし、徐々に点差をつけたところで、日本はサイド二人とセッターを変える。セッターが宇佐美選手になり、ヒット自体は出来るようになった。
パキスタンは1セット中盤から基本的にはマンツーマンで対応してきていた。早い話、センターもレフトもライトもコミットってことですな。阿部選手は打てないトスながらもパイプを良く使っていたため、ブロックもスプレッドしきれなかったのだが、宇佐美選手は今日、ほとんどパイプを使わなかったため、パキスタンは完全にスプレッドし、1対1の展開が多くなり、それをよーくシャットアウトされた。阿部選手と違い、打てるには打てるのだが、いかんせんトスが低い。
ブロッカーより多い人数でのはやいシンクロ攻撃は、基本的にはリードブロックを破るための戦術だ。
ブロッカーがどこに跳んだら良いのかわからない、上がってから跳んでも間に合わない状況を作ることが目的だ。
ただそうやってマンツーマンで跳んでくる相手に対して、1対1の状況でスパイクを決めることが出来ないのならこの戦術を用いる意味はないし、数的優位があるのだから、パイプとクイックの出し入れで簡単にノーマークを作り出せ、攻撃は決まるはずなのだ。
そんなわけで、古典的なブロックで2,3セットを獲られた日本だったわけだが、いかんせんパキスタンはミスも多く、サーブレシーブが悪すぎ、日本がいよいよ焦って強いサーブが入り出した4,5セット*1はまるでサーブレシーブが返らず、スパイクアウトを連発した。エースも7,8本くらいあったんじゃないか?
かなり今後が不安になる内容だった。いくらはやい攻撃をしてもスパイクが打てなければ意味はないし、1枚の状況を打開出来なければはやい意味がない。それこそ今日の試合に限定すれば、オープン攻撃だけでしていれば簡単に勝てた試合だ。
だが、この程度でじゃあ攻撃を遅くしようかとなるのはもっと問題。基本的に方向性は間違っていない。足りないのは高くて早いトスと1枚のブロックを相手にきっちり決める能力、4人のスパイカーをきっちり使うこと。これだけ。
ディフェンス能力は、結構高いと思う。ディグはだいぶ上がっていた。
おそらくは次ラウンドのインド戦が一つの山(ちっちゃいけどね)にはなると思う。今後の向上に期待したい。
*1:福澤選手と米山選手の位置を変えたのも結構ターニングポイントだと思うが、長くなってしまうので割愛