イタリアは今後10年、いや本人さえその気があれば、2032年の五輪まではセッターの心配はしなくてよいだろう。
それくらいジャネッリは優れたセッターであると思っている。イタリアのファイナル、モデナと1勝1敗になったところでスタメンを掴んで、優勝かっさらって、ちょっとまだほそっこいけど、すげーのいるなと思ったのが、2015年。そこからあれよあれよという間に、翌年には五輪の決勝。意味がわからん。意味がわからん。意味がわからん。
ジャネッリのセットは気味が悪い(褒めてる)。
ボールが重く見えるセッターと軽く見えるセッターがいる。言い換えればボールの重さを感じさせるセッター、感じさせないセッター。軽くタッチしているだけなのに、ボールがスーッと飛んでいく。特にサイドライン際から逆サイドに上げる場合にそれがはっきりでる。どちらがいいというわけではない。しっかりボールの重さを感じさせるセッターにも、いいセッターはたくさんいる。というかむしろ感じさせるほうが正統派だ。
感じさせないセッターの代表格がジャネッリ。むしろ見ていて気味が悪い。ボールの重さをまるで感じないからだ。まるでそこだけ重力場がおかしくなっているかのごとく。
ボールの重さは万国共通。そう見えるのにはいくつか要因がありそうである。まずは力みがほとんどない点。当たり前だが力めばボールは重く見える。またジャンプが少しゆっくり目である点。最高点に達する前にボールに触っている感がある。床を蹴った上向きの力を最大限活用してる感じ。
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こんな化け物がどうやって育ったんだ、と若いときの映像を探していて見つけたのは、ジャネッリが15だか16の時のイタリアU-17の決勝。と思ったらサイドしてた。それはそれで貴重。サイドとしてはやっぱりキツいですな。
この動画、面白いのが対戦相手のセッターがスベルトリというところ。調べてみると当時はU-17のチームではアタッカーをU-19のチームではセッターをしていたらしい。
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これが上の動画の1年後のU-19。だから16か17の時。もうほぼほぼ完成されている感。前衛に来たら、後ろにセッターが入ってジャネッリが打つシステムも使ってる。
サーブもダウンザラインに打つ恐ろしいものを持っていて、ブロックもセッターの基準から言ったらだいぶ標準以上。
20歳で五輪の決勝を経験したセッターがここからさらに経験を積んでいく。たくさんの勝利とたくさんの敗北とたくさんの修羅場を歩んでいくのだ。恐ろしいとしか言いようがない。
ただ代表に限って言えば、ユアントレーナとザイツェフが抜けちゃうと今後スパイカー陣が何とも不安でなあ。