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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッター番外編その4 ニミル・アブデルアジズ




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ミラノでのブレイクで、今や世界で十指に数えられるオポジットになったであろうオランダのアブデルアジズも、ほんの数年前までセッターだった。
代表のセッターがオポジットに鞍替えして、また代表入るなんてのはなかなか見られないケース。


2015年のヨーロッパ選手権では普通にオランダのレギュラーセッターとしてプレーしていた。
セッターとしてはエジプトのアブダラあたりと同カテゴリという感じで、サーブが鬼強い、それが一番評価のはじめに来てしまうタイプだった。

まだ10代の時には、イタリアのトレビソやクネオが目をつけて、ちょっと唾つけておこうかみたいな感じでプレーさせていたが結局花開かず。2015シーズンからフランスのポワチエに所属していたわけだが、年明けにちょっと異変が起こる。きっかけは怪我人だったとかそんなことだと思う。突然アブデルアジズがサイドプレーヤーとしてプレーし始めたのだ。この試合なんかはセッターでスタートして、2セット目からはサイドでプレーというなかなかチャレンジングな采配。このシーズンは最終的にはまたセッターとして終えるのだが、おそらく監督が説得して、本格的にオポジットとしてのプレーを始めた。


翌シーズンの活躍を受けて、当時ミラノの監督だったジャーニからオファーを受け、イタリアに帰ってきた。
その後の活躍は目を見張るもので、19/20シーズンは得点数トップで、日本からのオファーというガセも立派な信憑性を帯びていた。
長い手を目一杯活かしたスイングでコースも幅広いし、パンチあるしで手がつけられない時がある。


こういった昔はセッターしていたけど、スパイカーで大成功みたいな選手は、たいてい才能がありあまるのでセッターにしてみたが、性格的にちょっと向いてなかったという理由が大きいわけだが、あまり若い時にスパイクの繰り返しで消耗をしていないという要因も多少はあると思う。やはり肩や膝は消耗品という側面もあるので、若い時に負荷をかけてそのまま伸びなかった、なんて例もなきしもあらずだろう。ただザイツェフにしろ、アブデルアジズにしろ、ハードパンチャーすぎて消耗うんぬんはあんまり関係ないかもしれない。


アラブの石油王にもしなったら、それこそザイツェフとアブデルアジズのツーセッターでイタリアリーグ参戦なんて夢を見たいものである。