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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその38 ヴァレリオ・ヴェルミリオ




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2000年代前半にイタリアのメインセッターであったのがヴェルミリオである。アテネで銀、ヨーロッパ選手権の優勝2回、チャンピオンズリーグも優勝2回と、ブラジルの黄金期なので国際大会での優勝はあまり多くないが、違うクラブでチャンピオンズリーグを2回もとれるセッターはそう多くない。


2003年のシスレートレヴィソでもセリエAで優勝したが、この時は加藤選手がトレヴィソに行った年なので、月バレでも多めに取り上げられたりしていたのだが、セッターがヴェルミリオで、チゾーラとパピのサイド、テンカティとフェイのミドルと、ほとんどイタリア代表ってメンツで、赤いユニフォームがかっこよかったんだ、これが。



筑波バレー部卒の記者さんにネタバレされてしまったが、おっしゃる通りで動きの硬さもあって、剛のイメージ。あまり上げる場所に正対しないで肩をうまく使って横に、斜めにセットする。
ヴェルミリオの見どころはやはり上げる場所の選択。ネットに背を向ける場面が多いので、相手のブロックをあまり目視で確認していない。なのにブロックの少ないところ少ないところを選択できる。それは理詰めと駆け引きの産物であろうと思う。


上の動画の試合は2012/13のチャンピオンズリーグ決勝なのだが、特に5セット目が面白い。相手のベウハトゥフはリスク承知でかなり当てずっぽうなブロックをしてくるのだが、それを外していくヴェルミリオのセット。10点以降はほとんどノーブロックして、アタッカーに打たせている。この何本かのセットで流れが変わり、逆転での優勝を決めたという面もあると思う。


最近、姿を見ないヴェルミリオ44歳であるが、まだまだ現役である。セリエC、実質イタリア4部でプレーしている。
彼の積んだ経歴を考えれば35くらいでスパッと辞めて指導者なり解説者なりという道はあったのだろうが、イランでプレーし、アルゼンチンでプレーし、セリエA2、セリエBとカテゴリを落としながら、それでも現役をやめない彼には何らかの矜持があるのだろう。