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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその42 マルコ・メオーニ




90年代以降のイタリア代表セッターの変遷は大まかにいえば、トフォリ→メオーニ→ヴェルミリオ→トラヴィツァ→ジャネッリとなる。
きょうはその中でもトフォリとヴェルミリオの陰に隠れている時間の長かったので、少し印象の薄いメオーニを。
メオーニといえば、とりあえず有名なのは2008年北京オリンピック最終予選の初日、日本対イタリア。日本が2-1でリードしている4セット目、日本24-18からのまさかの大逆転劇。ヴェルミリオが先発していたが、メオーニに早い段階で交代していた。

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メオーニがイタリア代表の正セッターだったのは1997年くらいから2001年位まで。なので、2008年の最終予選というのはだいぶベテランになってからの復帰だったわけだ。


スタメンで上げた実績として代表では1998年の世界選手権での優勝、1999のヨーロッパ選手権などがあり、クラブでは2008/09シーズンのピアツェンツァでのスクデット獲得がある。この頃のピアツェンツァのエース、ズラタノフはサーブレシーブに問題があったので、オポジットに守備型の選手を入れたり、フロントオーダー使ったりと試行錯誤していた。試合中にオポの選手がサイドに移ったり、その逆だったりはざらにあったので、セッターは苦労したと思う。
以下は決勝の第5試合、優勝決定戦。第5セット11-13から4連続ポイントで優勝を決める激アツな試合。黒チーム6番がメオーニ。
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メオーニはいつも高い位置でボールにタッチする。他のセッターは乱れたボールにギリギリ追いついたときなどは、顔の近くの低い位置で上げることも多いのだが、メオーニは体勢を落としてでも高い位置でセットする。ある意味、不器用なのかなとも思う。
セットの精度も高くて、ミドルもうまく使えたのだが、割と安定感を欠いていて、突然崩れることも少なくはなく、あまり精神的に強いタイプではなかったように思う。ベテランになってからはそんなことはなかったが、そのあたりが代表でもヴェルミリオにポジション取られた要因かもしれない。


メオーニの代名詞といえば、パンツの後ろに挟んだタオル。遠目で見るとメオーニとグルビッチって少し似ているところがあるし、生まれ年は一緒だし、プレーしたクラブが少しかぶっているので、昔の荒い動画で見た時に見分けられないことがあるのだが、このタオルを見たら、お、メオーニだな、とすぐ判別できる。またそのタオルが職人ぽくてね。


メオーニは引退後、アイスクリーム屋を開いたが翌年に半年だけ復帰。ほんとに引退してからはアメリカに渡り、テキサスでジュニアのチームを指導している