きょうのセッターその4 古川靖志
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(日本鋼管。黒いユニフォームの5番)
1961年生まれ。春高二連覇。大学3年で全日本とエリート街道。
もちろん私は生で見たことはないのだが、「古川靖志が一番すごかった」という方が、昔からのバレーファンに多いように思う。
そのセッティングは手首から先の感度が素晴らしく高く、ボールの下に入っていなくても、ボールがスーッと出ていく。アイデアに優れ、相手ブロックをことごとく分断していく。
181cmとそこまで大きくはないが、ブロックも全然苦にしてないし、ディグの能力も高い。そのハンドリング、運動能力の高さ、空間認識の良さを見るに身体感覚が深く研ぎ澄まされてるのだろう。どんな競技をしたとしても、それなりの結果を収められたと思う。
「古川のセットにスパイカーが合わせられないから、味方のスパイカーが振られてしまうから、古川を全日本から外さざるを得なかった」といった言説をよく見かける。もし本当であれば、それはセッターの問題であると思う。セッターはスパイカーを活かしてナンボである。
しかし、プレーを見る限りは、そこまで振り回してる感じでもないし、特段打ちにくいセットとも思わない。ただ、相手と一人で戦ってしまっているように見えなくもなかった。レセプションの悪さにイライラしてみたり、シャットされたスパイカーと目を合わせなかったり。細かい話と言われれば、それまでだが。
たしかにセッターとしてのテクニックでは、国内史上最高かもしれない。
しかし全軍を率いる司令塔としてみたときに、猫田氏や真鍋氏の持っていた、へりくだってでもスパイカーの心をしっかり捕まえて、チームとしての勝利を貪欲に追い求めるという部分が物足りないように思える。セッターは切り込み隊長ではなく、どれだけチームのケツが持てるかだと個人的には考える。
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ただ、そこがまた孤高の天才という感じでたまらなくもあるのだが。