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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその10 サイード・マルーフ



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マルーフは19/20シーズンは中国でプレーする予定だったため、今年は年明けの五輪予選以外プレーを見ることが全くできなくて残念である。
バレーボールという周囲約65㎝、重さ約260gの球体をオーバーハンドで扱うことに関しては、現役で世界一であると思う。気が向いていれば。
マルーフはセットにボールの落下するエネルギーを利用して、自分のエネルギーをあまり使わない印象を受ける(いいセッター大体そうだけど)。ボールが手に入るのではなく、跳ね返るイメージ。無駄な動きがほとんどないので、上がる場所がわかりづらい。


セッターのハンドリングを分類するときに、個人的には媒体としてバネの硬さと長さをよくイメージする。あくまで抽象的にイメージするので、物理学とはかけ離れているだろうが、それが選手によって、局面によって、変化するイメージ。
個人的には硬めが好みなのだが、マルーフはそのチョイスが絶妙というべきか、硬め短めでスッと出すときもあれば、少しゆるく長めにしっかり納めるときもあったり、この辺の緩急もブロックがつくにくい要因ともいえよう。


風貌も含めてだが、仙人セッターというジャンルがあると思っている。マルーフはその代表格で、日本でいえば下村、臺、脇戸、岩田あたりだろうか。
テクニックに優れ、感情をそこまで表に出さず、すこし達観したようなセッター。だがしかし、達観してるようでいて、そういうセッターって往々にしてムラっ気があるんだよなぁ。