常にひらめきがあって、それを実現するだけのテクニックがある。
少しひらめきに従い過ぎて、ゲーム全体の筋書きが破綻することはあるけれど、それは今後更に改善する問題だろう。
とはいえ、特にセリエAの上位のような、代表よりも攻撃力の総和が高いチームでは行儀の良いセッター、つまり予想されうることをただこなすセッターは避けられる傾向にある。もちろんスパイカーに能力を発揮させることは大前提であるが、多少のリスクを負って相手の想定外を産み出していくこともトップのセッターには求められる。
やはりその点において1、2の能力を誇るのがデ・セッコだろう。
そのひらめきはセットだけではなく、サーブでもブロックでも、ふと気づくとデ・セッコはなにかの工夫をしている。
前後左右にスピンとフロートを使い分けて揺さぶるサーブとそこまで高いとは言えないまでも場所を直前で変えてみたり、引いたり出したりを駆使するブロック。相手にしてみれば非常に嫌な選手、味方にしてみれば大変頼もしい選手と言えるだろう。
アルゼンチンで子供の時はバスケットボールをしていたらしいが、18歳ですでに代表入り。バレーボールを初めた年齢ははっきりと調べられないが、おそらく14、15歳とみられ、バレー経験3、4年で代表入りしたと考えられる。2m級の選手なら期待してという意味で、なくはないだろうが、セッターでってのはやっぱり異常である。
その後は徐々にステップアップして、20/21シーズンからはルーベに移籍。今季とはほぼセッターのみが変わる陣容になるため、ブルーノとどう違うバレーボールを展開するのか、それを確かめることが今から大変楽しみである。